紙のうんちく

ファンシーペーパーとは何か

ファンシーペーパーは、色や柄に特徴があり、かつ表面加工などが施されている紙を指します。また、視覚や触覚など人の感覚に訴えかける高級な紙です。一般的な紙の場合は紙面上に印刷をすることで新たな表現をすることができますが、ファンシーペーパーは最初からさまざまな色や模様が入っていたりすることで、その特性を活かした使われ方をしています。
ファンシーペーパーは、素材の違いによりいろいろな効果を得られます。例えばダイレクトメールに使用した場合、インパクトが大きいことから、人の目を引きやすくなります。商品やサービスなどを効果的に知らせるためには、インパクトが大事です。ファンシーペーパーはインパクトがあるので、印刷された文面をしっかり見てもらいやすくなります。
チラシやパンフレットなどの多くの紙媒体は、そのほとんどが見られることなく捨てられてしまいます。しかし、これがファンシーペーパーでできたチラシやパンフレットの場合、エンボス加工などがしてあると、多くの人は手渡された瞬間に明らかに違う感触を覚えます。もらった人は驚くと同時に対象物に目をやるので、内面を見てもらうことができます。チラシやパンフレットを配る際には、第一に手に取って見てもらうことが重要となりますが、ファンシーペーパーならその可能性が飛躍的に増大します。
さらに商品の案内文などを印刷した用紙も、ファンシーペーパーを用いることがおすすめです。大量生産の安価な商品なら、単に白い紙に印刷した説明書でも良いでしょう。ただ、商品が高級なものだったり特殊なものだったりする場合は、相応に見合った説明書やパンフレットにすることが求められます。例えば和風の高級な商品ならば、和紙のような風合いのファンシーペーパーを用いると印象が良くなります。商品に合った紙質、色合いのものを選べば、商品のイメージがより引き立ちます。

ファンシーペーパーの種類

ファンシーペーパーにはさまざまな種類があります。まずはしこくてんれいと呼ばれている大礼紙（和紙）のような紙です。質感はなめらかで印刷にも適していますが、大礼紙のような模様が入っており、上品な風合いを持っています。白以外に淡い色合いのカラーバリエーションがあります。
ランダムなデコボコのエンボスが入っているマーメイドという紙もあります。質感はザラザラとしており、ナチュラルな雰囲気です。表面にあるさざ波のようなデコボコは、印刷するとムラが出やすいため、ワンポイントの印刷や風合いを生かした工作などに利用されます。
小さなデコボコが入っているタントはファンシーペーパーの中でも代表的な銘柄で、色数が豊富です。商品のラベルやしおり、本の見返しなどに使われています。
NTラシャは歴史のある紙の一つで、画用紙のようなざらつきのある触感であり、こちらも色数は豊富です。印刷物や紙製品、画材用紙などに使われています。
最も知名度の高い紙であるレザック66は、レザーのようなデコボコの模様が入り、手触りも個性的です。高級感を出したい冊子の表紙などによく使用されます。
他にも表面がツヤツヤとしているファンタス、キラキラのラメが入っているミランダなど多くの種類があります。

ファンシーペーパーの利用例

ファンシーペーパーがよく使われているのは本の装丁です。表紙だけでなく扉や見返し、帯などの部分にも多く使われています。さらにパンフレット、グリーティングカード、レストランのメニューなど使用されている用途は多種多様です。ファンシーペーパーは、そこに印刷を施すことで、思いがけない効果を引き出すこともあります。特殊な用紙に独特の文字で印刷をすれば、それこそ見る人に大きなインパクトを与えることができます。利用例はこれだけではありません。特別な印刷をしなくても特徴的できれいなため、個人での使用目的として、クラフト作品などでも使われています。クラフトとしての利用としては折り紙があります。例えば単に鶴を折っただけでも、いろいろな雰囲気を持つ鶴の折り紙になります。また、箸袋にすれば他には売っていないちょっとおしゃれなものになります。パーティやおもてなしの時に使うと喜ばれるでしょう。
折り方によってはブックマークにもなります。ハート形などのおしゃれな形に折れば使うのが楽しくなりますし、破れたり汚れたりしても補充が効くので楽しめます。この他、封筒を作っても自分だけのオリジナルなものに仕上がります。
ファンシーとは空想とか幻想、あるいは気まぐれ、装飾的で意匠を凝らした様などの意味を持っていますが、その意味の通り、使い方次第でさまざまな可能性を引き出すことのできる紙です。アイデアによっては無限の夢が広がります。