HOME > 教えて!紙博士 > 紙のうんちく > 塗工紙と非塗工紙/紙の縦横方向
世の中の女性は、綺麗になるために化粧をしますが、ファンデーションと呼ばれる化粧品の主な成分が砕かれた「石」である事をご存知でしょうか。
このファンデーションを肌に塗って肌の表面を滑らかにする方法が、実は紙にも施されております。この化粧の有無や、その量によって「紙」の種類や用途が分けられます。
できたばかりの紙は、表面がぼこぼこしています。この状態の紙を原紙と呼びます。原紙の表面に塗工をせず使用する「紙」を非塗工紙と言います。非塗工紙は、コピー用紙、ノート、書籍、マンガ本などに多く使われています。
塗料によって表面を埋めたり、表面をおおうように塗工した紙を「塗工紙」と呼びます。塗料を塗る事で、表面が滑らかになり、塗料がインキを吸収する能力をもつため、きれいな印刷をする事ができるようになります。
「塗工紙」を塗工量の多い順に、アート紙、コート紙、微塗工紙などにわけられます。
アート紙は写真印刷など仕上がりが重視されるカレンダーや写真集に、コート紙は雑誌やパンフレットに、微塗工紙は雑誌やチラシなどに使用されます。
パルプは長さ1mmぐらいの細くて短い繊維からできています。抄紙機で抄くときにこれを水で薄め、1000m/分ぐらいのスピードで網の上へ均一に噴出させます。この時に紙の中では70%程度の繊維が噴出方向に並ぶ事になります。この繊維の並んだ方向が紙の流れ目です。
この紙の流れ目方向の簡単な見分けかたとして片持ち梁テストがあります。
縦、横90度の方向の2種類の短冊に切った紙を机などの端から水平に同じ長さを出します。この時垂れにくい方が縦目となります。
書店に並ぶ本は、ほとんど紙の流れ目が上下になるようにつくられています。これは、ひとつに本のめくりやすさと関係します。紙は横方向に曲がりやすいので、ページをめくる時にめくりやすいという事になります。